煙の恐怖
火災で拡散した煙は、初期は白く徐々に黄色に変わり、最後には黒煙に変化します。
火災で発生した煙に含まれるガスは、燃焼に伴う酸素不足と高熱で、人の思考力や判断力を鈍らせ、避難を難しくさせます。また、一瞬のうちに体の機能を停止させ、中毒、窒息により死に至ることがあります。
一酸化炭素中毒の症状 | |
空気中の一酸化炭素濃度(%) | 症状 |
0.02 | 2~3時間で軽い頭痛がする |
0.04 | 1~2時間で頭痛、吐き気がする |
0.08 | 45分でめまい、けいれんを起こす |
0.16 | 20分で頭痛、めまい、2時間で致死 |
0.32 | 5~10分で頭痛、30分で致死 |
0.64 | 5~15分で致死 |
1.28 | 1~3分で致死 |
煙の速度
煙の速さは、水平方向へ進む場合は通常1秒間に0.3から0.8m(人の歩く速さ)、垂直方向へ進む場合は同じく3から5mになります。
垂直方向では人の歩く速度より早いので、階段などでは特に注意が必要です。
避難の方法「火より怖い煙」
- タオルやハンカチで口を覆い、煙を直接吸わないようにする。
- できるだけ低い姿勢をとり、床スレスレに残っている空気を吸うようにする。
- 避難するときは、燃えている部屋のドアを閉めて逃げる。
- いったん避難したら再び戻らない。
- 煙で前が見えない場合は、壁に手を当て方向を確認しながら避難する。
- 鼻から吸って口から吐く…の呼吸を繰り返す。
- 下の階へ避難することが基本。
- エレベーターは使わない。