風水害に対する危険物施設の保安上の留意事項
近年、全国的に大規模な風水害による危険物施設の被害が発生しています。
危険物施設の関係者の方は、次のことに留意するようお願いします。
■平時からの事前の備え
- ハザードマップにて、施設の場所が浸水想定区域や土砂災害警戒区域ではないかを確認してください。
- 長雨や台風のときに、浸水等がみられる場合は、被害発生の危険性を回避または低減するために事前の備えを検討してください。また、計画策定や教育訓練など必要な準備を行ってください。
【事前の備え】
・計画的な操業の停止や規模縮小、危険物の搬入・搬出の時期や経路の変更など
・停電時でも温度管理・圧力管理の継続が必要な物品のバックアップ電源の確保
■危険性が高まってきた場合の応急対策
【浸水・土砂対策】
・土のうや止水板にて侵水を極力防止する
・弁やマンホールを閉鎖し、危険物流出を防止する
・禁水性物質は、高所へ移動するか水密性のある区画で保管
・金属の融解高熱物は、加熱をあらかじめ停止して温度を下げる
・屋外にある容器やコンテナは、流出しないよう高所へ移動するかワイヤー等で緊結したり、重いものを下方に積む
・移動タンク貯蔵所は、高台へ移動する
【強風対策】
・飛来物による破損に対応するため、配管の弁を閉鎖する
・屋外にある容器やコンテナは、転倒防止のためワイヤー等で緊結したり、重いものを下方に積む
【停電対策】
・危険物の製造・取扱いをあらかじめ停止する
・継続した温度・圧力管理が必要な物品には、バックアップ電源を確保する。
※対策は、従業員が安全に避難する時間を考慮し、余裕をもって作業する時間が必要です。
爆発等の可能性がある場合は、ただちに消防へ通報してください。
■天候回復後の点検・復旧
天候回復後には点検を行い、補修が必要であれば補修し再稼働してください。
特に、浸水があった場合には電気設備・危険物設備が損傷している可能性があります。
目視点検のほか、作動状況や気密性、危険物への水の混入状況を確認してください。
停電から復旧の際には、通電火災や漏電が起こることがありますので、電気設備や配線に不具合がないことを確認してください。